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需給と株価

株価は業績で決まるのか

株価が上がったり下がったりする理由は何なのでしょう。「そんなの常識。その会社の業績が良くなれば株価は上がるし、悪くなれば下がる。業績と株価は連動している」。こう考える人が多いのではないでしょうか。

大まかには間違っていません。しかしその場合、株価はどれだけ動くのでしょうか。利益が2倍になれば株価もきっちり2倍になるとは限りません。

また、業績が赤字から黒字に回復したときには、株価は何倍になるのが妥当なのでしょうか。さまざまな方法で試算はできますが、その通りになる保証はありません。株価の動きは必ずしも企業業紙によって直接説明できるわけではないようです。

直接決めるのは一体何か

企業業績だけではありません。通常、株価の変動要因としてあげられる景気、金利、為替相場などにしても、株価を直接決めているわけではないのです。

上場会社が決算発表をして、その数字を証券取引所がコンピューターに入力すると、株価が計算される。もし株価がこのようにして決まっているのであれば、企業業紙と株価は完全に連動することでしょう。

しかし現実にはそうではありません。いうまでもなく、株価は、証券会社を通じて取引所に染まった投盗家の売買注文をすり合わせ、取引を成立させることで付いています。

取引所はコンピューターを使いますが、それは膨大な売買注文を迅速に処理するためで、企業業績を株価に反映させるためではありません。

株式の需要と供給

株価を直接決めているのは、投資家の売買注文です。言い換えれば、株式の需要と供給です。市場で取引される他のあらゆる物やサービスの値段と同じく、株の値段、つまり株価も究極的には需給のバランスによって決まります。

買い注文(需要)が売り注文(供給)より多ければ株価は上昇し、逆の場合は下落します。企業業績、景気、金利、国際情勢といった事柄は、株の需要と供給のそれぞれを増やしたり減らしたりすることによって、株価を間接的に動かしているのです。

企業業績と株価

最も重要な要因

企業業績は株の需要と供給を決めるうえで最も重要な要因といえるでしょう。企業は株式や借入金で集めたお金を使って事業を営み、毎期得た利益のうち、一部を配当金として株主に支払います。

より多くの配当金を将来にわたって払い続けることができそうな企業、また、業績が改善すると、稼いだ利益の一部を新商品の開発や設備投資に回す余裕が生まれ、さらに収益が拡大する好循環も期待できます。

こうして業績の良い企業の株は、株式市場で人気が集まり、高い株価が付きやすくなります。企業業績は株価と常に連動するとは限りませんが、業績を着実に伸ばしている会社の株価は、おおむね順調に上昇する場合が多いことも事実です。

絶対額より変化率

ある決算期に、自動車メーカーのA社が2,000億円、同業のB社が1,000億円の利益をそれぞれ稼いだとします。A社の利益はB社の2倍です。

しかし株価の上昇率はA社がB社を上岡るとは限りません。たとえばA社の利益が前期から横ばいだったのに対し、B社は前期の200億円から5倍に増えたとすると、むしろB社の株価のほうが大きく上昇する可能性があります。

投資家は常に「会社が利益を生み出す力はこれまでに比べて強くなったかどうか」を考えながら株を売り買いします。したがって株価材料としては、企業業績の絶対・額よりも変化率が注目されるのです。

実績値より予想値

株式投資をするうえで、企業業績の過去の実績値を確認することも有用ですが、それ以上に大切なのは将来の予想値です。

企業業績に限らず、株の需要と供給は常に先々の変化を見越して動いていくものだからです。上場会社は決算発表のときに翌期の業績見通しを発表しますから、必ずチェックすると同時に、その予想を修正しないかどうか気をつけておかなければなりません。

会社が業績予想を発表・修正した場合には、自社のホームページや証券取引所が運営するウェブサイトで公表しますし、新聞の投資・財務面にも掲載されます。

景気と株価

好景気で株価は上昇

世界や一国の景気も株価を左右する大切な要因です。景気は経済の良い、悪いという状況を意味し、好景気(好況)と不景気(不況)を繰り返すといわれます。

景気と株価の関係は、企業業績と株価の関係にほぼ置き換えることができます。最気と株価は互いに影響し合うので、一般的には景気が良くなれば企業の業績も良くなって株価が上昇し、反対に不況になれば企業業績が悪化し株価は下落します。

不況下の株高も

ただし、他の要因と同じように、株価は先々を予想しながら動きますから、景気の転換点を早い時期にとらえることが株式投資のうえでは重要になります。

このため不況期でもその終わりに近づくと景気回復への期待から株価が高くなることがあります。これを不況下の株高と呼びます。逆に好況期の終わりには、景気後退の観測から株価が安くなるケースがあります。こちらは好況下の株安です。

景気の転機を先取り

過去の株式相場を振り返ってみると、株価の動きが景気のサイクルとほぼ重なっていることが多いと同時に、株価が景気の転換点を先取りしているケースがあることに気づきます。

たとえば高度成長期の1960年代半ばから70年まで続いた「いざなぎ景気」。当時、日本は世界第2位の経済大国となり、豊かになった国民の間で3C(自動車、クーラー、カラーテレビ)と呼ばれる、当時の夢の耐久消費財が人気を集めました。


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自動車や家電業界を中心に企業は潤い、株価も上昇しました。57カ月続いた好景気は70年7月に終了しましたが、日経平均株価のピークはそれより3カ月早い4月でした。1980年代後半以降のバブル景気の時代も、株価は大きく上昇しました。

このとき、日経平均は89年末の史上最高値(3万8,915円87銭)でピークを付けましたが、景気拡大が終了したのは2年後の91年になってからでした。


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