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投資家動向と株価

影響力増す外国人投資家

動向で近年目立つ傾向の1つは、外国人投資家の日本株買いが活発になっていることです。外国人投資家とは、日本の株式市場に海外から注文を出す投資家のことで、おもに欧米の年金基金、投資信託、中東のオイルマネーなどです。

外国人の保有株比率は1995年度末に初めて10%を超えた後、急速に上昇し、2012年度末は過去最高の28%に達しました。

実に日本株の3割近くを握っているわけです。個々の企業をみると、2013年で三井不動産49%、信越化学工業41%、ホンダ38%など、日本を代表する大企業でも3割、4割に及ぶところが少なくありません。

これは日本企業の株価に対する外国人の影響力がかってなく高まっていることを意味します。外国人がすべて一斉に同じ動きをするわけではありませんが、内外で株式投資に不利な政治・経済環境が強まった場合、外国人が日本株を売却し、株価下落の圧力となることは十分ありえます。

逆に世界のライバル会社をしのぐ競争力を身につけ国際的に商い評価を得た会社は、外国人の積極的な買いで株価が上昇する可能性が高いといえます。

長期運用の機関投資家

外国人に次いで存在感が大きいのが国内の機関投資家です。機関投資家とは、一般の個人や企業、年金基金などからお金を集めて、逆用・管理する法人投資家の総称です。

具体的には、生命保険会社、損害保険会社、信託銀行、投資信託、年金基金、投資ファンド、ヘッジファンドなどを指します。

機関投資家は、長期的な株価の動きを予想したうえで、専門の運用者が投資先を選んでいます。まとまった資金で運用するので、株価の長期のトレンドに影響を及ぼしており、その動向は注目されています。

「日経会社情報」などの大株主一覧でよく目につくのが、日本マスタートラスト信託銀行、日本トラステイ・サービス信託銀行、資産管理サービス信託銀行といった名前です。

いずれも本当の株主である年金基金に代わり、株式の保管や配当の受け取りといった事務を行っており、マスタートラストと呼ばれます。各信託銀行の「信託口」が形式上の株主として表示されます。

増資と株価

買い材料か、売り材料か

企業が新たに株式を発行し、それを買った投資家から資金を集めることを増資といいます。資産を増やすという意味です。

増資は株価にとってプラス要因なのでしょうか、それともマイナス要因なのでしょうか。これはなかなか難しい問題です。

1980年代後半のバブル時代、株式市場で「ファイナンス銘柄」という言葉が流行しました。ある企業がファイナンス、つまり増資や転換社債(株式に転換できる社債)の発行を発表すると、それが買い材料となって株価が上昇するのです。

ファイナンスの噂が流れただけで人気になることもありました。その当時は「調達した資金で事業を拡大すれば業績向上につながるから」などと解説されていました。

ところがバブル崩壊以降、一転して増資は売り材料になってしまいました。「発行済み株式数が増えるので1株当たりの利益が薄まるという説明が増えました。

会社の価値を高められるか

これらの歴史的事実は、増資と株価の関係について何を語っているでしょうか。要するに、増資は株にとって買い材料の場合もあれば、売り材料の場合もあるということです。

ポイントは会社の価値を高められるかどうかです。比較の意味で、株式分割を考えてみます。株式分割も増資と同じように投資家に新株を渡しますが、企業の実体は何も変化しません。

ですから理論上、1対2の分割であれば、株価は2分の1に下落します。これに対し増資の場合は、株式分割と同じように発行済み株式数が増えますから、そこだけをとらえると株価の下落要因です。

しかし株式分割と異なり、増資の場合は会社に現金が払い込まれます。このお金を使って1株当たりの会社の価値を高められれば、株の買い材料になります。逆に価値が薄まってしまえば売り材料です。

株式分割と株価

「割れたビスケット」はお好き

ポケットの中にビスケットが1つ入っていて、ポケットをたたいたらビスケットが2つに割れました。あなたはこれで「ビスケットが2つになった」と喜びますか。

いうまでもなく、ビスケットの量が増えたわけではないのですから、小さな子供でも喜びはしないでしょう。

しかし株式市湯では、株式が「割れる」と、歓迎されることが多いのです。これが株式分割です。

株式分割では1株をいくつかに分割し、株式数を増やします。例えば、1株を2株に分割すると、その株式を保有していた人の持ち株数は自動的に2倍になります。

しかし株数が2倍になる一方で、理論上、1株の価値は半分になるので、資産価値は分割の前と後で変わりません。


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好材料視される理由

しかし株式市場では、株式分割を好材料とみることが少なくありません。最大の理由は株価が安くなり、買いやすくなるということです。

分割前の株価が1.000円で、1株を2株に分割すると、1株の価値が半分になったのですから、株価も半分の500前後に下がります。

売買単位が1,000株の銘柄の場合、以前は最低でも100万円出さないと買えなかったのが、分割によって50万円で買えるようになります。

すると予算の比較的少ない投資家も買いやすくなり、株価にプラスに働くと期待されるわけです。

また、株式分割後も1株当たりの配当金が据え置かれた場合は、実質的な増配ですから、買い材料となります。

例えば1株当たりの配当が50円で、2株に分割した後も1株50円なら、計100円の配当をもらえることになります。

新興企業が多く実施株式分割を実施する会社の多くは、新興市場に上場する成長企業です。利益が伸びているうえ、発行済み株式数もまだ少ないので、1株当たりの利益水準が高くなり、それを反映して株価も高くなりやすいからです。

株式分割を行うことにより個人投資家が買いやすくなり、個人株主を増やすことにもつながります。


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